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2023/06/19

中古マンション、断熱材があるか確認できる?リフォームの方法も解説

中古マンション、断熱材があるか確認できる?リフォームの方法も解説 画像

中古マンションを購入したり、リノベーションを考えたりするときに気になるのが、断熱材の有無や状態です。断熱材は、室内の温度や湿度を快適に保つだけでなく、省エネや防音にも効果があります。

しかし、中古マンションには、断熱材が入っていなかったり、入っていても劣化していたりすることが少なくありません。

この記事では、中古マンションの断熱材があるかどうか確認する方法や、断熱材の種類やメリット、リフォームの方法などについて解説します。断熱材に関する知識を身につけて、快適で省エネな住まいづくりに役立ててください。


 

中古マンションの断熱材とは

断熱材の画像

マンションの断熱材とは、マンションの壁や床、窓などに施工される断熱用の材料のことをいいます。熱が伝わりづらい特徴があるため、外の暑さを家に入れず、家の暖かさを外に逃がさない効果が生まれます。


 

マンションに断熱材が入っているメリット

喜ぶ女性

マンションに断熱材が入っていると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。詳しく解説します。

冬は暖かく、夏は涼しい

断熱材は、室内と外気の温度差を緩和するため、冬は暖房効果を高め、夏は冷房効果を高めるという特徴があります。一年中室内の快適な室温を保てるのは、大きなメリットといえるでしょう。

省エネになる

室内の熱を逃がさないことで、暖房や冷房の使用時間や温度をより省エネに設定できます。電気料金が値上がりする昨今、電気代やガス代などの光熱費を節約できるのは非常に魅力的です。

防音効果がある

断熱材は、外からの騒音や隣室からの音漏れも防ぎます。静かな生活環境を作れるため、音に敏感な人やプライバシーを重視する人にとってもメリットが大きい特徴があります。

また、育児をしている、ペットを飼っているなど、自宅からの音漏れを最小限に抑えたい人にとっても、断熱材は大きな効果を発揮します。


 

マンションに断熱材が入っているかチェックする4つの方法

住宅のメンテナンス

マンションに断熱材が入っているかどうかは、以下の手法でチェックできます。内覧の際や契約前にチェックすることを忘れないようにしましょう。

1. 築年数を見る

まず確認したいのが、マンションの築年数です。築年数が30年以上の場合、通常断熱材が入っていないマンションのほうが一般的と考えましょう。

築年数が20〜29年の場合、断熱材が入っているかどうかはケースバイケース。ただし、入っていたとしてもカビなどが発生していることもあるため、場合によってはリフォームをしなおしたほうがよいこともあります。

築年数が19年以下の場合、ほとんどのマンションでは断熱材が入っています。こちらも、購入の前に断熱材の状態を確認することをおすすめします。

2. 竣工図を見る

竣工図とは、マンションが完成した時点で作成された、建物の正確な図面のことをいいます。マンションの構造や設備などが記載されているため、ここで断熱材の有無を確認しましょう。

断熱材が入っているかどうかは「内部仕上表」や「矩形図」「平面詳細図」の項目に記載があります。一見しただけではどの項目が断熱材に該当するかはわからないことも多いため、専門家に意見を聞くことをおすすめします。

3. 住宅性能評価書を見る

購入予定のマンションが住宅性能評価書を発行している場合、評価書の中に断熱材を利用しているかの記載があるはずです。

住宅性能評価書とは、住宅に関する品質や性能を客観的に評価したもの。取得は任意ですが、住宅の品質を保証できるとして、ほとんどの不動産会社が発行しています。

住宅性能評価書は断熱材以外にも、地震や火事への強さや配管のメンテナンスしやすさ、省エネ性、防犯対策など、さまざまな項目で住宅の価値を把握できるため、必ず目を通しておきましょう。

4. リノベーション業者に聞いてみる

マンションの断熱性能を知る最も確実な方法は、リノベーション業者に依頼して調査してもらうことです。リノベーション業者は、専門的な知識や技術を持っており、自分で判断するよりも、マンションの断熱材の種類や厚さなどを正確に判断できるメリットがあります。

また、マンションの状態によっては、断熱材が入っていても劣化しており、新たにリフォームを実施したほうがよいと判断されることがあるかもしれません。

知識のない状態で断熱材があると思い込んでしまった結果、生活の質が下がるなどのトラブルを防ぐためにも、業者に断熱材の有無を確認してもらうことは非常に有効な手段といえるでしょう。

断熱材をリフォームで入れる方法

断熱材

調査の結果マンションに断熱材が入っていなかった場合、断熱リフォームを検討しましょう。断熱リフォームでは、断熱材を壁や床に設置するほか、窓を断熱仕様に取り替えるなどの選択肢があります。ここでは、断熱リフォームの方法や種類について詳しく解説します。

壁や床の断熱リフォーム

壁紙やフローリングなどを剥がして、その下に断熱材を敷き詰めます。壁や床の表面温度が上がるため、住宅の断熱性が大幅に向上します。

窓の断熱リフォーム

窓は、ドアなどと並んで住宅の「開口部」と呼ばれます。熱の出入りが多いことが特徴で、窓の性能次第では、壁や床に入れた断熱材の効果がほとんど発揮されなくなってしまうことも。

壁や床に断熱材を入れる際、予算に余裕があれば窓の断熱リフォームも検討することをおすすめします。

窓の断熱リフォームには窓枠やガラスごと交換する方法と、内窓を追加する方法の2種類があります。どちらも断熱性能はほとんど同じですが、費用や設置工事にかかる時間に違いがあります。


 

断熱材の種類

断熱材

壁や床に入れる断熱材の種類には、大きく分けて以下の4種類があります。

・無機質繊維系

・木質繊維系

・天然素材系

・発泡プラスチック系

どの断熱材を選ぶかは、地域や予算、求める性能によって変わるもの。それぞれの特徴について、詳しく解説します。

無機質繊維系

グラスウールやロックウールなどに代表される化学繊維の一種です。特にグラスウールは断熱材によく選ばれており、高い断熱性能や防音性能、耐火性、耐久性、コストパフォーマンスなどが特徴です。

断熱性能やコストパフォーマンスを重視する人には特におすすめできるといえるでしょう。

木質繊維系

セルロースファイバーやインシュレーションボードなどに代表される、木質の素材を利用した繊維です。木材の繊維が空気を含むことで、熱の伝わりを防ぎます。

断熱材として選ばれやすいのはセルロースファイバーです。環境に優しく、湿気調整機能や吸音性能が高いことなどが特徴です。無機繊維系の断熱材よりも性能が高く、高い断熱性能を求める人や、寒い地域に住む人に選ばれる傾向があります。自然素材にこだわる人や、湿気調整機能や吸音性能を重視する人には特におすすめできるといえるでしょう。

反面、価格も割高で、場合によっては無機繊維系と比較して倍以上の価格になることも。また、工事の際に気泡を吹き付けていく必要があり、リフォームでは利用できないことや、専門業者に依頼する必要があるなどのデメリットもあります。

天然素材系

羊毛や炭化コルクなどに代表される、天然素材を利用した断熱材です。動植物の毛や繊維が空気を含んで熱の伝わりを防ぎます。

環境に優しく、湿気調整機能や吸音性能が高いことなどが大きなメリットです。さらに、防虫性が高い素材が多く、ダニやシロアリなどの被害を最小限に抑えたい人にとっては有力な選択肢となるでしょう。

ただし、費用が高い素材が多いほか、施工できる業者が少ないことは抑えておきましょう。

発泡プラスチック系

プラスチックを泡状にし、気泡の中に空気を含ませ熱の伝わりを防ぐ断熱材です。発泡スチロールなどをイメージすると分かりやすいかもしれません。気泡の中に、さらに断熱性の高いガスを閉じ込めた商品もあります。

押出発泡ポリスチレンや高発泡ポリエチレンなどが断熱材として使われることがあります。軽量で施工しやすく、素材によっては燃えたときの有害性も低いなどのメリットがあります。

ただし、割高になりやすいことや、熱に弱い素材が多いなどのデメリットがあることには注意しましょう。


 

マンションに断熱材を入れる際の注意点

ポイントを指摘する男性

マンションに断熱材を入れる場合、どのようなことに注意するべきでしょうか。詳しく解説します。

オーバースペックにならないようにする

マンションの構造や環境に合わせて、必要な断熱性能を見極めましょう。オーバースペックになると、コストや工期がかかりすぎたり、かえって室内の湿度や換気が悪くなったりする恐れがあります。

また、海沿いなど湿気の多い地域で高性能すぎる断熱材を入れてしまうと、1カ月程度の旅行でも、部屋がカビだらけになってしまうなどの深刻なトラブルにつながるケースも。高機能なものを入れればよいわけではないことには注意が必要です。

業者の腕次第で満足度が変わる

断熱材の種類や施工方法は多岐にわたります。業者によって得意とする断熱材の種類や工法は異なるため、自分の導入したい断熱材の工事が得意な業者を探しましょう。

また、断熱材の入れ替えなどのアフターサービスがどの程度充実しているかも見極めておくことで、住宅のメンテナンスを安心して任せられるかどうかが決まります。

断熱リフォームができないこともある

マンションを断熱リフォームする場合、外壁や屋根などの共用部分に影響を及ぼすリフォームは実施できないケースが多いことに注意しましょう。また、部屋の位置や階数によっては、希望する施工方法でのリフォームができない場合があることも抑えておきましょう。

なお、断熱材が入れられない場合は、インナーサッシ(内窓)を取り付けるなどのリフォーム方法であれば実施できる可能性もあります。マンションの管理組合に、どのような断熱工事であれば実施できるのかを確認してみることをおすすめします。

まとめ

断熱材

エアコンの効きをよくするほか、防音や防虫などの効果が生まれる断熱材。生活の質を大きく高められるため、中古マンションを購入する際に防熱リフォームを実施する人は数多く存在します。

ただし、マンションの規約や土地の特質によっては、希望する断熱材が入れられないことも少なくありません。断熱材の種類や施工方法についてもっと知りたい方は、ぜひ専門の業者に相談してみてください。正しい知識を持つことで、住宅の条件や希望に合わせた断熱リフォームを実施しましょう。

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