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築年数の経った木造住宅では、床が傾くことも少なくありません。日本建築学会によると、床の傾きを放置すれば、扉の開け閉めが難しくなるなど、住宅に悪影響が出てしまうほか、隙間風が発生する、ものが転がるなどの不具合が起きることも。また、傾きがひどい場合は、めまいや頭痛、吐き気、食欲不振、睡眠障害などの重い健康障害が生じることもあります。
なぜ床が傾くのか。傾きをなおすためには、どの程度の費用が必要になるのか。気になりますよね。
この記事では、床の傾きの原因を調べる方法や、直す方法、費用の目安について解説します。2階の床が傾いて困っているという方は、ぜひ参考にしてください。
床はなぜ傾くのでしょうか。さまざまな原因がありますが、代表的なものについて解説します。
よくあるケースが、建物の老朽化によって傾きが起きる例です。住宅の築年数が10年以上経過している場合は、老朽化による傾きを疑いましょう。
住宅は、長い年月をかけてゆっくりと下の土を押し固めていきます。この際、地盤の硬さの違いや、間取りごとの重さの違いなどによって軽微な傾きが発生してしまうことは少なくありません。
また、老朽化によって、基礎部分に使われている木材などがもろくなってしまうことも考えられます。
建物の自然な劣化による床の傾きを事前に予防することは困難です。住宅の定期検診を実施することで、早めに傾きに気づくことを心がけましょう。
大きな地震によって家が左右に揺れることで地面が押され、傾きが生じることがあります。
また、液状化現象によっても床の傾きは発生します。これは、地震によって土の粒が解体されてしまい、地面全体が液体のようにバラバラになることをいいます。
川や海岸、田畑、沼、谷などを埋め立てて作った土地は、地盤が軟弱な傾向があります。地盤を固める作業を強固に実施しなければ、地盤沈下を起こして床の傾きにつながってしまいます。
基礎が十分に深く打たれていなかったり、配筋が不適切だったりすると、床の傾きが発生します。工事の施工不良が原因で床の傾きが発生した場合、建設会社などに修復費用を負担してもらえます。
豪雪地帯と呼ばれる地域では、雪が不均等に積もることによって地盤が下がり、床の傾きが生じます。近年では、雪の降りづらい地域で大雪の被害に見舞われることも少なくありません。雪の降りづらい地域では、屋根に雪の対策をしていないことも多いため、地盤沈下のリスクが高まることに注意しましょう。
シロアリが住宅の基礎部分に被害を出すことで、家全体が傾いてしまうケースもあります。シロアリは、被害が初期段階のうちに対策を取ることが重要です。住宅の定期点検を忘れないことが必要不可欠といえるでしょう。
床の傾きを直す方法は、以下のようなものがあります。
・床を支える木材や、床材の交換
・シロアリの駆除
・地盤沈下の修正や地盤改良
どのような手法を取るかは、床が傾いている理由によってそれぞれ異なります。
床の傾きを直す費用目安は、工事の内容や規模によって異なりますが、一般的には数十万円から数百万円程度かかります。
木材や床材の交換、シロアリの駆除であれば10〜20万円程度が一般的です。
地盤沈下の修正や、地盤の改良などの大規模な工事が必要な場合は、100万円〜1000万円程度の予算が必要になることも。予算は工法の違いや住宅の面積、地盤の硬さによって変化します。
傾きが生じている部屋が限られており、部分的な施工だけですむ場合、費用は10〜50万円程度ですむケースがほとんどです。
床の傾きを直すには、少なくとも数十万の予算が必要です。お金がかかるため、工事をためらう人もいるかもしれません。しかし、DIYで床の傾きを直すことはおすすめしません。理由について詳しく解説します。
床の傾きを直すためには、まず傾きの原因を調べなければいけません。
原因を特定するためには水準器やレーザー距離計などを使用したり、基礎部分の点検をしたりといった手順が必要になりますが、これらは専門的な知識や設備がなければ実施が難しいものです。
工事中にミスをすると、床の傾きを悪化させたり、建物全体に影響を及ぼしたりする可能性があります。特に基礎部分の工事を実施する場合は、綿密な準備なしには、むしろ家全体に悪影響を与えてしまいます。
また、地盤改良などの工事が必要な場合、個人がDIYで実施することはほとんど不可能といってもいいでしょう。
床の傾きが気になると思った場合は、まず専門家に意見をあおぐことをおすすめします。
床の傾きを放置することは、あまりおすすめできません。その理由を詳しく解説します。
床が傾くと、建物の構造が弱くなってしまいます。この結果、耐震強度が落ち、地震などの揺れに対して耐えられなくなってしまうことも。建物が倒壊したり、大きな被害を受けたりする可能性も高くなるため、暮らしの安全性に直結します。
床が傾いていると、雨漏りやカビ、外壁の亀裂、隙間風などのトラブルが増えます。また、ドアや窓の枠が歪み、鍵のかかりが悪くなることも考えられます。
一度床の傾きに気づいてしまうと、精神的なストレスが生じます。家に居心地の良さや安心感を感じられず、常にイライラしてしまうこともあるかもしれません。
傾きが一定以上になると、体調に悪影響が出てくることもあります。めまいや頭痛、腰痛、肩こり、吐き気、食欲不振、睡眠障害などが代表的な例です。
実は、新築の住宅でもある程度の傾きは発生しています。ただし、1メートルあたり3mm未満の傾きについては、傾いていたとしても自覚症状が発生しないことがほとんどであるため、問題ないとして扱われる傾向にあります。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の中に定められている住宅紛争処理の参考となるべき技術基準にしたがって、傾きの度合いと起こりうるトラブルについて解説します。
1メートルにつき3mm未満の傾きについては、一般的に、そこまでの健康被害は生じません。傾きがあると気づかない人がほとんどです。ただし、平衡感覚が敏感な人や、乗り物酔いしやすい人の場合は、気分が悪くなるなどのトラブルに見舞われるでしょう。
ほとんどの人が、傾きが出ていることに気づく段階です。ただし、この段階でも、まだ目立った健康被害は生じません。
築年数が10年以内の住宅にもかかわらず、3mm以上の傾きが生じている場合、傾きの原因が施工不良である可能性も出てきます。業者に修理を依頼する前に、何が原因で傾きが生じているのかをきちんと検査することをおすすめします。
めまいや頭痛などの健康被害が出る段階です。体がバランスを保とうといびつな姿勢を取るため、肩こりや腰痛が発生することもあります。
築年数が10年以内の住宅で6mm以上の傾きが発生している場合、施工に問題があったと考えるのが一般的です。必ず検査を実施しましょう。
めまいや頭痛、肩こり、腰痛にくわえ、フワフワと浮いたような感覚などが生じます。三半規管の弱い人は、吐き気などに見舞われることもあるでしょう。
三半規管、自律神経に強い支障が生じます。強い疲労感や睡眠障害などが生じるほか、傾きのない環境でものが傾いて見えてしまうなどの障害も発生します。
床の傾きを直したあとは、再び傾きが発生しないよう住宅基礎部分を改良するなどの予防策も重要です。基礎工事は、地面をどの程度掘り進めれば硬い地盤に辿り着くかによって、工法が変化します。それぞれの工法について、概要を解説します。
地面を2メートルほど掘り進めれば硬い地盤がある場合は「表層改良工法」が実施されます。軟弱な地盤を掘り起こし、セメント系の硬化剤を混ぜ込み強度を高くします。
地面を2〜8メートル程度掘らなければ硬い地盤に辿りつかない場合「柱状改良工法」を実施します。軟弱な地盤部分にところどころ穴を開け、その穴にセメントを注入し、土と混ぜます。円柱を地盤に埋め込むことで、地面の強度を高めます。
8メートル以上にわたって軟弱な地盤が続く場合は「小口径鋼管杭工法」が実施されます。硬い地盤に届くまで鋼製の柱材を打ち込むもので、30メートルまでの軟弱な地盤に対応できます。
なおこの工法は、工事日数が少なく、重機を搬入しにくい場所でも施工できるなどの特徴があるため、地盤が硬めの土地であっても実施することがあります。
床の傾きは、程度によっては深刻な健康被害をもたらすこともあります。また、建物の安全性や快適性に影響するため、床の傾きに気づいたときは、放置せずにすぐに専門家に相談することが重要です。
床の傾きを直すためには、床材の入れ替えやシロアリの駆除といった比較的軽度な工事のほか、地盤の改良などの大規模な工事に発展することも少なくありません。費用はかかりますが、建物の価値や寿命を延ばすことができるため、ぜひ実施することをお勧めします。
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Idea Lab. Rinobea 名古屋市熱田区新尾頭1丁目9番43号(金山駅南口徒歩8分)
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